足は、私達が思っている以上に複雑な形状で、個人差があります。また、左右でも形・長さが異なるのが普通です。
長いキャリアを持つ専門家が両足を丁寧に、かつ厳密に計測してカルテを作成、お客様だけの靴型(マイラスト)を作ります。採寸は最高のフィット感を実現するために大切な工程です。
 
お客様の思い描くオリジナルデザインを、店内に用意したパターンブックやサンプル、またご自身でお持ちになった資料などをもとに、納得のいくまで、じっくりとご相談させていただきます。特にOTSUKA M-5では、豊富に用意している甲材との組み合わせで、より一層理想のデザインを追求することが可能になり、フルオーダーならではのお客様だけの一足を完成させることができます。
スムースレザーはフランス アノネイ社の最高級甲材を豊富に取り揃えています。スタンダード15種のほか、スェードをはじめ旬の個性的な材料も随時提案しています。
アノネイ社の甲材の特長は、原革の質が最上であるフランス産の子牛のみを厳選使用し、独自に開発した方法によって鞣されていること。繊維組織が非常に綿密になっているため靴を履いたり、革が折れ曲がったり、引っ張られたりしても数年間品質が変わりません。また、撥水効果も認められ、多少の水がかかっても大丈夫、さらに汗が靴の外へ通り抜けるので、履き心地の良さを長く保つことができます。
ビスポークに関しては、甲材料、底仕様、仕上げなど 細部にわたるディティールをお客様の好みに合わせて選べます。
オーダーが完了したら、熟練した専属の手縫い職人による製作過程に入ります。オーツカ130余年の伝統が培った靴作りのノウハウをベースに、お客様を大切にする精神、ものに対するこだわりを生かした丁寧な仕事で、皆様に必ずご満足いただけるよう最高の靴に仕立て上げます。
たとえば底をはる前にOTSUKA M-5の手縫い職人たちは、革底を何気なく揉み込んでいます。この作業は、手縫い靴を履いた時の足なじみの良さに結びついていますが、技術が受け継がれる中で手縫い職人に自然と身についた重要な工程といえます。
また、製甲のときに使うミシン針は、丁寧に研いで使用し、ミシン糸のひと針ひと針の形にこだわります。さらに「エレガントさ」を表現するために重要な出し縫いのピッチは、他に類を見ない細やかさで縫い上げられています。これらは、オーツカだけに伝えられ、現代に息づく職人技そのものです。そして、これらたくさんの細やかな技術へのこだわりが、お客様にご満足いただける「一足」へと結晶されるのです

ビスポークでは、仮縫いが完了した段階でお客様にご来店いただき、フィッティング調整と仕様のご確認をしていただいております。これも、最後まで妥協を許さず、お客様に心から納得していただける靴に仕上げるためです。さらにお届けした靴を永く、大切にご愛用いただくためにもリぺアーや日ごろのお手入れに関するご相談をいつでも承ります。
これからも、お客様とより深い信頼関係を結び、どのようなご要望にもお応えしていくことを、創業130余年目を迎えた今こそオーツカの使命ととらえ、真心の靴づくりに努めてまいります。