靴の製法

construction

それぞれの特長を生かして快適な履き心地を実現する5つの製法。
日本の靴文化の中で、洋式の靴が履かれるようになったのは江戸時代末期から明治時代の初期の頃。以来、私たちの生活スタイルの変化に伴いながら、伝統に裏づけされた確かな製法と現代のテクノロジーが融合し、履き心地の良い美しいデザインの靴が次々と開発されてきました。しかしながら、靴の製法そのものはかわっていません。特に高級紳士靴においては、以下でご紹介する5つの製法が基本となっています。

グッドイヤウェルト式製法

Goodyear Welted Construction

高級紳士靴の代名詞にもなった伝統的な製法で、重厚感あふれる堅牢な作りが特長。型くずれせず履き込むほどに足になじみ、表底の取り替えや半張り修理が何回もできるので愛用の靴を一までも履き継ぐことができます。また一足の靴が仕上がるまでに、高度な技術と丹念な工程が求められます。
グッドイヤウェルト式製法

マッケイ式製法

McKay Construction

1860年代からアメリカやイギリスで広がった製法で、日本では明治30年頃に導入されました。構造がシンプルで軽量なため、表底の工夫次第で返りの良い履きやすい靴作りができます。ただ底の縫い目から水が染み込むことがあるので、履き方や手入れなどを丁寧に行う必要があります。
マッケイ式製法

ステッチダウン式製法

Stitch-down Construction

裏革の無い場合は甲革を外側につり込み、表底に張り付けて周辺を出逢い糸で縫製。裏革がある場合は、裏は内側につり込み、甲革を外につり込んで縫製する製法です。
軽量に仕上がり、屈曲性も高くソフトで軽快な履き心地が得られることから、カジュアルシューズなどに多く見られます。
ステッチダウン式製法

セメント式製法

Cemented Construction

中底を靴型に仮止めした後につり込み、甲革と表底を起毛して接着剤を塗り、プレスにかけて熱圧着する製法。甲革と底材を縫いつけないのでつくりに制約が少なく、より繊細なフォルムが形成できます。
セメント式製法

インジェクション式製法

Injection molding Construction

ポリウレタンなど底材となる素材が液状の原料の時に金型に注入し、底を付ける製法をいいます。原液から加工するので成型性良く、任意にデザインできるほか原液に直接着色することで多彩なカラーバリエーションが可能になります。接着強度も高く、耐久性、耐水性に優れたウォーキングシューズに最適な製法です。
インジェクション式製法
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